自由で開かれた気風を持つ台湾では、多彩な音楽が息づいています。インディーズからメジャーまで、山や海、都市や港を舞台に広がるフェスティバルは、この島の音楽文化を象徴する存在です。
なかでも、メガポート・フェスティバル(MEGAPORT Festival)、スプリング・ウェーブ・ミュージック・フェスティバル(Spring Wave Music Festival)、台湾ミュージック・フェスティバル(Taiwan Music Festival)は、長年にわたり高い人気を誇る代表的なイベントです。充実したラインナップと、それぞれが大切にしてきた音楽精神が、多くのファンを惹きつけてきました。
港でロックを体感するもよし、山や海辺で音楽に身を任せる もよし。本記事では、3つのフェスとあわせて楽しみたい、現地の食と宿泊情報をご紹介します。
高雄:メガポート・フェスティバル(MEGAPORT Festival)
毎年3月に高雄で開催されるメガポート・フェスティバル(MEGAPORT Festival)は、台湾南部で最も有名な音楽イベントの一つです。2006年に誕生し、2日間にわたるイベントには毎年数十万人の音楽ファンが集まります。2025年には、初めて会場を駮二芸術特区(Pier-2 Art Center)から愛河ベイエリアへと拡大しました。
このフェスの魅力は、港と一体となったロケーションにあります。日中は太陽と海風を感じながら、夜はきらめく照明の下で音楽に身を委ねる。昼と夜で表情を変える会場が、大きな高揚感を生み出します。
プログラムはテーマごとに10のステージで構成。毎年国内外のアーティストが100組以上招かれ、国境を越えた音楽コミュニティが広がっています。
例えば、2025年の野外メインステージである「南覇天(Nan Ba Tian)」には、Chthonic(ソニック)、Amazing Show、アメリカの The Flaming Lipsといった人気バンドが招待されました。屋内ステージの「海龍王(Sea Dragon)」では、臨場感あふれる映像と音響を体験することができます。
このほかにも、「青春夢(Youth Dream)」、「小港祭(Xiaogang Stage)」などの無料ステージは新進気鋭のバンドにとって初舞台であると同時に、誰もが気軽にライブを楽しめる空間です。通りには、マーケットのフードスタンドがずらりと並び、観客の熱気と音楽が響き合い、ベイエリア全体が活気に満ちた最先端のフェスティバルへと変貌を遂げます。
食べる
駮二芸術特区は、歴史の温もりと人情があふれる塩埕区に位置しています。塩埕を訪れたなら、地元で長く親しまれてきた食堂や屋台の味は見逃せません。豚骨スープや豚モツの料理で知られる「鄭家切仔麺(Cheng's Noodles)」 、「鴨肉珍(五福四路)(Duck Zhen (Wufu 4th Road))」 の香りあふれる薫製アヒル肉の盛り合わせなど、 いずれも伝統の味を長く守り続けています。 昔ながらの家庭料理を味わうなら「長生29(Chang Sheng 29)」へ。紅麹で味付けした豚肉の唐揚げや香港式土鍋の炊き込みご飯など、その日の食材に合わせたおまかせが供されます。
近隣の前金区と新興区にも人気店が点在しています。「蟳之屋(Crab's House)」 と「台南旺(Tainan Wang)」 は処女蟹(未交配のメス蟹)をはじめ、旬の魚介が楽しめます。また、ビブグルマンの「昭明海産家庭料理(Chao Ming)」 は、韓国の人気グループBLACKPINKのメンバーがSNSで紹介したことでも話題になりました。豚肉のニンニク炒めや魚の醤油煮込みをはじめ、素朴な な 味わいが魅力です。
泊まる
雄市の中心部には国際ブランドのホテルが集まっています。駮二芸術特区から車で約10分圏内に、個性豊かなミシュランガイド掲載のホテルが4軒あります。 —— インターコンチネンタル高雄 、THE AMNIS 、ホテルインディゴ高雄セントラルパーク 、Hotel Dùa です。その中でも、アジア新湾区(Asia New Bay Area)に位置するインターコンチネンタル高雄とTHE AMNISは、港の眺望を楽しめる部屋を備えています。
インターコンチネンタル高雄は星光園道(高雄港沿いの遊歩道)に面しており、三多商圏(繁華街エリア)や高雄展覧館(コンベンションセンター)にも近く、交通の便に優れています。ホテル内には中国料理 、東南アジア料理、日本料理など、多彩なレストランやバーが揃っており、港を一望できる独立型のバスタブを備える客室もあります。5階の屋内プールは、洞窟のような吹き抜けのデザインが印象的。 スパプールとスチームルームも併設しており、旅の疲れを癒してくれます。
THE AMNISの客室は、日本風の木目調の質感とシンプルな色調で広々とした空間。イタリアの職人による高品質なベッドと全面大理石のバスルームを備え、旅行客は都市の喧騒を忘れ、快適な時間を過ごせます。
台中:スプリング・ウェーブ・ミュージック・フェスティバル(Spring Wave Music Festival)
現在は台中で開催されているスプリング・ウェーブ・ミュージック・フェスティバル(Spring Wave Music Festival)は、2006年に墾丁(ケンティン)で始まった、台湾を代表する野外音楽フェスティバルの一つです。過去20年のあいだに、新北市の白沙湾や澎湖・馬公をはじめ、シンガポールや香港でも開催されてきました。
2022年より、台中の森渼原 Alive Glamping Base(旧・中華民国農会レジャー総合農牧場)で開催されています。2025年には、金曲奨(Golden Melody Awards)を受賞した李竺芯(シーリ・リー)をはじめ、韓国のADOY、日本のSPYAIR、タイのPhum Viphuritなど、50組のアーティストが参加し、メインストリームと新鋭が入り交じったラインナップとなりました。
このフェスの魅力は、豪華な出演陣だけではありません。ポップミュージックとアウトドア体験、アートなライフスタイルを融合させ、自然と音楽の共存を重視しています。同時に、環境へ配慮した会場、家族・ペットも一緒に楽しめるエリア、個性的なマーケットも開催し、 音楽フェスの新しい楽しみ方を提案しています。
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食べる
森渼原 Alive Glamping Baseは、台中市の外埔区に位置しています。入場前に腹ごしらえをしたいのであれば、市内中心部の「上海未名麺點(No Name Noodles)」 へ。家伝のレシピで作られた酸菜麺(発酵高菜のスープ麺)は滋味深い一杯。気さくな接客と家庭的な雰囲気も魅力です。
「阿坤麺(A Kun Mian)」で昔ながらの汁なし和え麺もよいでしょう。たっぷりのもやしと肉そぼろ、さらに台中特有のチリソースと油麺がよく合います。イベント終了後も、市内で深夜まで営業している「夜間部爌肉飯(Night School Braised Pork Rice)」の小皿料理や爌肉飯(コンローハン:豚の三枚肉を柔らかく煮たものをご飯にのせたもの)が、締めの一杯にも便利です。
泊まる
観客は入場券にキャンプサイトを追加購入すれば、星空の下でキャンプを楽しめます。テントを持ち込むか、手ぶらで利用できるプランから選ぶことができますが、利便性とプライバシーを重視するならば、車で約30~40分の距離にある市内中心部に滞在するのも一案です。
ミシュランガイド掲載のインターコンチネンタル台中は、にぎやかな草悟道エリア(台中市中心部の散策エリア)に位置。国立台湾美術館や国家歌劇院などの観光スポットに近接しています。館内の公共スペースは、台湾固有の生物であるタイワンアオカササギや蝶などをモチーフにデザインされており、300点以上のアート作品を収蔵しています。アートや自然に関心のある旅行者に向いています。
墾丁:台湾ミュージック・フェスティバル(Taiwan Music Festival)
毎年春になると、大湾のビーチは海辺のステージへと姿を変えます。3日間で100万人を超える音楽ファンが訪れます。誕生から5年、台湾で最も歴史のあるインディーズ音楽フェス「春天吶喊(Spring Scream)」の精神を受け継ぐ音楽イベントとして注目されています。
にぎやかな墾丁大街に隣接する大湾遊憩区(大湾ビーチエリア)で開催され、ステージの背景には紺碧の海、雲の影、そして暖かいビーチが広がっています。そのため、この音楽フェスティバルは音楽ライブファンにとって毎年恒例の祭典にとどまらず、南国のリゾート気分も楽しめます。
2025年の出演ラインナップには、Fire EX、Nine One One、Flesh Juicerなどの人気バンドに加えて日本のDOESなどが名を連ね、パンク、メタルからヒップホップまで、現代の台湾音楽の多彩な魅力を体感できます。クリエイティブなマーケットやフードスタンドも出店し、まるで春の海辺らしい開放的な雰囲気に包まれます。
食べる
墾丁には幅広い飲食店が点在しています。屋台や食堂で気軽に味わえる軽食、世界各国の料理、そして人気のカフェまで活気にあふれています。後壁湖(ホウビーフー)周辺には多くのシーフードレストランが集まっており、新鮮な魚介や刺身が目を引きます。また、墾丁大街には多種多様な屋台や創作料理の店が軒を連ね、夜遅くまでにぎわいます。
泊まる
フェスの熱気から少し離れて過ごすなら、大湾から車で10分以内の距離にある墾丁国家公園に位置するグロリアマナーが最適です。周囲を豊かな自然に囲まれ、静かな時間が流れます。大尖山と海を望み、、夜には虫の音を聞きながら眠りにつけます。まるで南の秘境にいるかのような感覚で、心身をゆったりと休められます。
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